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ユーロ(€)とは何か?意外と知られていない9つのエピソード

ユーロとは何か?意外と知られていない9つのエピソード

今日から為替や暗号資産(仮想通貨)について書いていこうと思います。

お金は暮らしに欠かせませんからね。

第1回目は、ヨーロッパのお金、ユーロ(€)について。

ちなみに、ユーロドルの現在の相場はこちら。

まずは、1分で解る。簡単にユーロ説明!

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まずユーロ(EURO)とは、欧州連合(EU)加盟国を中心に25ヶ国で使われている共通通貨の呼称。名前の由来はヨーロッパ(EUROPA)から来ています。

共通通貨ということで、ユーロ使用国同士には関税が発生しませんし、EU国内は物、資本、サービス、人の移動が自由なため、諸外国に対し国境のない大きな市場をつくり、経済を活性化させました。

一方、ユーロの金融政策はドイツに本店を持つ欧州中央銀行(ECB)が担当するのに対し、財政政策はユーロ各国が独自に行うため国家ぐるみの粉飾決算が行われることもあり(加盟国の財政政策に関する合意事項があるものの)、他の加盟国に経済的ダメージを与えることも少なくありません。

ユーロについて意外と知られていない9つのエピソード

では、ユーロについてなんとなくわかったところで、さっそく本題の「ユーロについて意外と知られていない9つのエピソード」について書いてみようと思います。

1 「ユーロの父」はカナダ人だった。

ユーロは、ノーベル経済学者「ロバート・マンデル」氏が提唱した「最適通貨圏」を理論の裏付けとしていることから「ユーロの父」と呼ばれています。

「最適通貨圏」理論とは、ものすごく簡単に言うと「最適な国が集まって単一通貨を使って暮らしましょう」というアイデア。

これを実現したのが、ユーロ経済圏というわけです。

もちろん、複数の国で同一通貨を使っているのはヨーロッパだけでなく、カリブ諸島(東カリブ・ドル)や西アフリカ諸国(CFAフラン)などにも存在します。

欧州通貨統合案はアメリカ国務省で始まった。

欧州通貨統合の発案は1965年にアメリカ国務省で開かれた会談ではじまりました。アメリカ無しでは決められないことだったんですね。

参考資料(pdf):

https://www.upr.fr/wp-content/uploads/dossiers/DEPARTEMENT-D-ETAT-AMERICAIN-Note-du-11-juin-1965-V15.pdf

 

3 ユーロはEU(欧州連合加盟国)以外の国でも使われている。

ユーロを使うのは、欧州連合加盟全28か国中19か国とEU以外の6ヶ国。約3億人以上が使用しています。

ユーロを使う国

アイルランド・イタリア・エストニア・オーストリア・オランダ・キプロス・ギリシャ・スペイン・スロバキア・スロベニア・ドイツ・フィンランド・フランス・ベルギー・ポルトガル・マルタ・ラトビア・リトアニア・ルクセンブルク

 

モンテネグロ・コソボ・アンドラ・モナコ・サンマリノ・バチカン

 

アクロティリおよびデケリア、グアドループ、サン・バルテルミー、サン・マルタン、サンピエール・ミクロン、フランス領ギアナ、フランス領南方・南極地域、マルティニーク、マヨット、レユニオン

4 ユーロ硬貨のプロトタイプは1971年にオランダで発行された。

なぜオランダなんでしょうか? 

理由はわかりませんが、結果としてユーロが流通した約20年間で、裕福になった国はドイツとオランダ。貧しくなった国はイタリアとフランスだそうです。

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プロトタイプのユーロ 1971年式 

https://assets.catawiki.nl

5 ユーロ(€)のロゴデザインは誰が発案したかで争いがある。

デザインを選んだのは欧州委員会。誰の案かは秘密になっています。しかし、人間というのは承認欲求の高い生き物。ベルギーのグラフィックデザイナー Alain Billiet がユーロ記号のデザイナーとする説とヨーロッパ経済共同体の元チーフグラフィックデザイナーであるドイツの Arthur Eisenmenger のアイデアであるという説があり、論争になっています。

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自分のアイディアだと主張する Arthur Eisenmenger氏 2002年死去

2ユーロの記念硬貨を毎年各国が作っていたら偽造硬貨だらけになった。

ユーロ経済圏各国で2ユーロの記念硬貨を1年に1回発行できるという楽しい企画。でも、そのせいで色々な種類の2ユーロ硬貨が生まれてしまうことに。たとえば、2006年に見つかった偽造硬貨の95%は2ユーロ硬貨だったというお粗末な結果に。

2ユーロ

表は共通

2ユーロの裏は各国の自由

裏は各国の自由

7 特別記念ユーロは鋳造した国でしか使えない。

発行国でしか使えない「特別記念ユーロ硬貨」をユーロ圏各国が自由に鋳造。だんだんやりたい放題になっています。

一番高価なユーロ硬貨はオーストリアの10万ユーロ硬貨(約1200万円)。しかし重くて買い物には向きません。

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他にもオランダの「QRコードつきユーロ」

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金融緩和ができない。

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これが最大の弱点でもあり、メリットと言う人もいます。たとえば、ギリシャのように借金だらけで経済崩壊しても、ギリシャのお金ではないのでお金を刷ることはできません。なので、経済圏の皆でお金を融通しないといけません。すると、ユーロ経済圏全体の信用が落ちます。

一方で、通貨同盟にいないで破綻するリスクの方がはるかに高いため、破綻した加盟国を救うことができるメリットがあるという意見もあります。でも、そんな甘っちょろいシステムなので、ギリシャのような問題はまたぶり返すと考える人は少なくありません。

「ユーロなんてやめてしまえ」という意見がある。

と主張するのは、トランプ米大統領の側近で首席戦略官だったスティーブ・バノン氏。

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EUを「主権国家の集まり」に戻すことが狙いだと説明し、「自分で自分の国の通貨を管理すべき」と述べ、「それが経済ナショナリズムの基本的な部分だと思う」と指摘しています。

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また、フランスのルペン元大統領候補は、大統領選挙戦の際、ユーロを廃止し1979年から98年にかけて用いられていたEUの通貨システム、エキュ(European Currency Unit=ECU)に戻すよう訴えていました。

どうなるユーロ?

いかがでしたか? 知らないエピソードはありましたか?

英国のEU離脱で揺れるヨーロッパ。旅行では便利なユーロですが、生誕20年とまだまだ歴史が浅い通貨です。未来永劫続くものではないのかもしれませんね。引き続き注目していきたいと思います。

それではまた!

 

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