2016/10/27にSmartNews(スマートニュース、スマニュー)で紹介されました。ありがとうございます。
はじめに
人をイラつかせる人っていますよね。それが、上司だったり、家族だったり、店員だったり、取引先だったり、いろんなところにいます。
そういう人にうっかり乗せられて、ブチッとキレてしまう。さっき言われたことにイライラして仕事が捗らない。そういうことってよくあるのではないでしょうか。
相手に乗せられてイライラモードに一度突入すると、これがなかなか抜け出せません。後の仕事にも少なからず影響し、非生産的といったらありません。
もちろん「相手への怒りをバネ」にやる気が出すという方もいらっしゃるでしょうが、わたしを含め「短気は損気」と考えているは多いのではないでしょうか。
ことわざにも、以下のように
癇癪持ちの事破り/短気は未練の初め/短気は身を滅ぼす腹切り刀/短気も我、後悔も我/短慮功を成さず/腹は立て損、喧嘩は仕損
と、昔から「腹を立てると損するよ」というのが通説のようです。
サッカーを例にしても、最近は大久保選手の頭突き退場で首位陥落、金崎選手が監督にキレて代表落ち、古いところではジダン選手の頭突きでW杯決勝敗退など・・・ 損の大きさは計り知れません。そもそもは、相手が悪いはずなのに、自分が乗せられて被害を被ってしまうのです。
でも、怒りをグッとこらえて溜め込むのも身体に良くないようです。
感情を表に出さない人は早死にするリスクが35%高いと判明
米ハーバード公衆衛生大学院とロチェスター大学がおこなった調査によると、日頃から感情、特に怒りを押し殺している人は、そうでない人に比べて若くして死亡する確率が約35%も高いことがわかったそう。死亡原因別では、心臓関連の病気が47%増、がんが70%増となっていたという。
引用-IRORIO
こうなると、もはや八方ふさがり。怒ると損だけど、我慢しても損というわけです。
今日の記事では、何かと相手に乗せられて、損することが多かったわたしを、冷静で生産的な人間に変えてくれた、4つのアイテムをご紹介したいと思います(前置きが大変長くなり申し訳ありません)。
アンガー・マネジメント
アメリカで成功しているエグゼクティブは、アンガー・マネジメントを取り入れている。国内大手企業も社員研修に導入しはじめている。
人にイラッとさせられることが多かったわたしが、影響されない方法を教えてくれた本。それが「アンガー・マネジメント」という心理トレーニングの本です。
この本の何がいいのでしょうか。
それは、根性で怒りを抑えるとかではなく、自分自身の怒りのメカニズムを論理的かつ簡単に分析させ、認知(怒りの元となる考え)を調整するよう助けてくれるところにあります。
そのためには、まず自分の「怒りのトリガー」を知ること。
自分にとって怒りの引き金を知り、そういう状況をあらかじめ予測したり避けることを覚えます。
怒りのトリガーと言われて思い出すのが、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーです。主人公のマーティンが宿敵ビフに「チキン」と言われた瞬間、プチッと切れて損をする。
自分がイラッとしてしまうのはどんな時か。捨て台詞を吐かれた時か、期日が守られない時か、割り込まれた時か…
どんな時に自分はイラッとしてしまう(トリガーになる)のかを理解している。それだけでも、だいぶ違うと思いませんか?
また、こんな怒りのメカニズム覚えることで、自分のパターンに当てはめて考えることが可能になります。
- 一例:よくある怒りのパターン
1.クルマが割り込んできた <事象>
↓
2.ズルはダメだ。注意してやるべきでは? <解釈と意味づけ>
[ここで、怒らないタイプの人は、この人は急いでいるのかな? などと考える]
↓
3.ズルは許されない。割りこませるものか。 <怒り>
↓
4.車間距離を詰める。 <行動>
↓
5.場合によっては事故になる。<結果>
あなたの運転の目的は制裁をすることだったのでしょうか。それとも、目的地に着くことだったのでしょうか。
と、このように、相手の行動によって、自分が怒るという流れがいかに非合理か瞬時に理解できるよう、論理的な思考力を磨くことができます。
言うなればこの書は、自分の怒りをマネジメントするうえで「体幹」のような役割を果たしてくれる、基本の基本となる教科書です。
国内でも人的資本の質(生産性)の向上にこのアンガー・マネジメントの研修を取り入れている企業が増えているようです。
会社の優秀な人材が、パワハラ上司や困った顧客にいちいち腹を立てていたら、いい仕事はできないし、組織も成長しないというわけです。
この本を学んで、だいぶ人の発言にイライラしなくなりました。でも、イライラしてしまうこともありました。
それは、自分のまだ知らない怒りのトリガーがあって、それを回避する方法や、シミュレーションする手段がなかったからなのです。
そんなときに出会った、2冊めの素晴らしい本をご紹介したいと思います。
Item for Keep Calm / 2
怒りがスーッと消える本(対人関係療法)
怒りを生む「典型的なパターン」と「腹の立たない受け取り方」を知るだけで、怒りが消えるから驚いた。
先ほどの本が基本書だとすると、こちらの本は「実践マニュアル」です。徹底的にシミュレーションするのに役立ちます。
この本で分かるのは、日本人が怒るパターンというのは、だいたい似ているんだなぁということ。そのうえで、
怒りの典型的な発生シーン26場面を再現し、その時にどう反応してしまうのが失敗なのか。どう反応すれば、相手の刺激を上手に交わしながら生産性を高めることができるのかを教えてくれます。
この26場面の怒りの発生シーンを客観的に観察し、なにかと人を煩わせる相手のペースにはめられない認知法を取得できるのです。
とにかく、共感、共感、共感の連続です。目からウロコというか、気づきだらけの一冊です。
わたしは、誰かに腹立たしくなったら、できるだけ早めにこの本を読み返すようにしています(Kindleアプリで読んでいます)。
最初から怒る気持ちにならない人になれる本
この本を読んでからというもの、今までなら相手に乗せられて怒ってただろうなという事象が、もはや怒るような問題ではなくなりました。
なるほどなぁと思った文を引用したいと思います。
DV男性が「お前が俺を怒らせたんだ」というものがあります。しかし、実は私たちは「他人を怒らせることはできません」。
怒りというのは、「自分の領域で起こる感情」であり、自分が怒っているに過ぎないのです。
相手に怒りをぶつける、怒りを煮え立たせるというのは、自分自身が選択しているだけなのです。
(本文から引用)
なるほどなぁ。人をイラつかせる人と言うけれど、よく考えるとイラつくという選択をしているのは当の自分だったのです。
この本に出会ってからというもの、わたしは相手の言動がどんなに激しくても、すっかり「認知(とらえ方)」が変わりました。
たとえば、苦情ばかり言う嫌な仕事仲間に対しては「よく考えると、これはわたしへの苦情ではなく、今日もパツパツで困っているんだな。よしよし」と思えるようになりました(もはや「嫌な」仕事仲間とすら思わなくなりました)。
腹の立つ出来事も、視点を変えると同情してあげられるようになる。
もちろん、問題のある相手には、立場として、それを指摘しなければならない場面もあります。でも、怒りに任せるのではなく、冷静に考えてからクレームや問題を指摘できるようになりました。
というわけで、めでたし、めでたしなのですが…
わたしの場合、このアンガー・マネジメントに、はまってしまい、反射的にやってくる怒りや、生理的な怒りにも対処したくなってしまいました。
しかし、反射的な怒りや生理的な怒りは、認知(とらえ方)次第では解決できません。そこで、ロシアの秘術に出会います。
Item for Keep Calm / 3
システマブリージング(ロシア軍特殊部隊の感情コントロール法)
身体的アプローチで怒りをコントロールしてしまう。しかも一瞬で。
その秘術とは、システマブリージング(システマ呼吸法)です。これは、ロシア軍の感情コントロール法のひとつです。
そんな、レベルの高そうなことは凡人には無理。そう思うかもしれません。
でも実は、非常に簡単なんです。
このブリージング(呼吸法)のすごいところは、戦場という究極の緊張下で、瞬時に感情を平常心に持っていく目的で開発されました。
ですから、普段は普通の呼吸で大丈夫。生理的に怒りがこみ上げてきたときに、一瞬だけ呼吸法システマブリージングに切り替えればOK。努力はまったくいりません。
これまで、様々な呼吸法を試してきましたが、このロシア軍特殊部隊の呼吸法「システマブリージング」が一番簡単で、現実的な呼吸法です。
やってみると、数秒でリラックスできます。
あくまでもわたしの場合ですが、この呼吸法をするとすぐに「あくび」が出ます。つまり、一瞬で緊張がほぐれてしまうのです。あくびしながら怒る人はいないと思います。
逆に言うと、ムカッとしてしまうときは、ほとんどの場合、全身の筋肉が緊張した状態になっているということです。
この「システマのブリージング」と「怒りのコントロール」を関連付けて解説した良書がありましたので、紹介しておきたいと思います。「人はなぜ突然怒り出すのか?」という本です。
- この本では、システマのブリージングのメカニズムはもちろん、
「怒れる自分から自分を守る」
「怒れる他者から自分を守る」
「怒れる自分から他者を守る」
「他者の怒りから身近な人を守る」など、 - 興味深いのは、他者を怒りから守る方法も学べるところです。もちろん、戦わずしてです。
このシステマブリージングは、最初の2つの行動療法とは怒りに対するアプローチが全く異なります。
システマのブリージングの考え方は、怒りを精神の問題ではなく、身体の問題とみなすことです。
というわけで、最初の2つの心理トレーニングとこの呼吸法を組み合わせれば、怒りをコントロールする力は相当なレベルの高さに達します。
でも、脳にも限界があって、周りの環境などによって、ストレスフルになってしまうと、これまで会得した3つの方法がうまくいかなくなってしまうことがあります。
そこで、サプリの出番です。
Item for Keep Calm / 4
アセチルコリン
人間の認知(とらえ方)機能はコリンの量と深い関係がある。
きっかけは、コリン(卵黄に多く含まれる栄養素)が、脂肪肝にいいということで、飲み始めました。
ところが、これを飲み始めた日から、怒りの芯のようなものをスーッと抜けた気がしたのです。あれ? なんだろう・・・ という感じでした。
その日以来、うれしくなって、1日に3回は飲んでいます。もう、1年毎日欠かさず続けていますが、些細なことでも、大きな問題でも、疲れていても、人の行動に振り回されないようになりました。
逆に言うと、これで〜いいのだ〜♪ 的になるといいますか、もう何が来ても余裕といいますか、追い詰められないというのか、怒るということがゼロになりました。
なぜだか、理由は分かりません。飲んだら、こうなったのです。
ただ、ちょっと気になる情報があったので、ご紹介したいと思います。
それは、抗コリン作用のある薬*1が、記銘力や注意力の障害、せん妄を誘導する*2という研究。
また、高齢者の認知症の発症リスクが抗コリン薬を3年超服用することで1.5倍になるという研究です*3。
どういうことかというと、脳神経伝達物質であるアセチルコリンをシナプスで取り込めないようにすると、せん妄を誘発したり、認知機能の低下が生じるということです。
逆に、脳内のアセチルコリンを増加させると、アルツハイマー型の認知症は改善します。*4
なお、コリンはアセチルコリンの前駆体です。もうコリンを飲んでから1年経ちますが、些細なことでも、大きなことでも腹がたちません。腹の立ちようがないです。認知の幅が広がったのでしょうか。
わたしにとってコリンは手放せないサプリです。
おわりに
人をイラつかせる人に腹が立つというのは、その人のおもうツボであるばかりか、自分の感情をコントロールできていないために起こる現象なのです。 自分の感情がコントロールできれば、相手が何を行ってもかわせる人になれば、毎日が快適なことは言うまでもありません。腹が立たなくなってからというもの、生産性だけでなく行動力もアップ。そして、いつも冷静でいられることは、毎日の自信にもつながります。
怒りの感情から解き放たれることは、生活の質、ひいては人生の質を確実に向上させてくれるのです。
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なお、各サプリメントの購入はAmazonもいいですが、2つ以上購入されるなら、アメリカのサプリメント通販大手である「iHerb(アイ・ハーブ)」が安くて、早く、高品質なのでオススメです(日本語、日本円対応、ヤマト、佐川を選べます)。各サプリの写真を押すと、iHerbのページに飛べます。iherbは消費税0%、また、次回の注文時には、前回購入金額の 10% が割引されるなどかなりお得です。
※この記事により発生したトラブルや損失、損害に対して、一切責任を負いません。この記事は、タイトルも含め、あくまでもわたし個人の体験記、感想文であり、効果や効能を謳ったり、保証するものではありません。各療法の実践、サプリの個人輸入や服用は自己責任でお願いいたします。
※現在なにかの疾患で病院に通っている方。特に、うつ病やうつ症状で怒りの症状が出ている場合は、このコントロール法を行わず、医師の指示にしたがってください。